映画

母なる証明

一か月ほど前に映画館で予告編を観た。そのとき、「この映画を観なければ!」という直感。今年に入ってから掴みつつある「映画のチカラ」、その理解をさらに一歩進めてくれる作品になってくれるんじゃないか。そんな期待が、切迫感のような力強さで押し寄せ…

空気人形

是枝監督の新作ということで注目していた作品。鑑賞した人から直接きいた感想や、ネット上での評価、どれも高評価のものが続いている。いやがおうにも勝手に期待が高まってしまう。 とても静かで、そして日常の美しさを思わせる東京の河川沿いの風景。板尾が…

サマーウォーズ

サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAYS MEMORY作者: ニュータイプ出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/07/29メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 76回この商品を含むブログ (108件) を見るサマーウォーズ (角川文庫)…

セブンティーン・アゲイン

映画です。ザック・エフロン主演で話題となっていた作品。 学生時代に夢見ていたような生活にたどりつけなかったおっさんが、ある日突然に17歳になってしまう(過去にタイムスリップしたわけではなく、自分の肉体だけが若くなった)。これを機に、失ったと…

重力ピエロ

伊坂幸太郎原作の映画です。 鑑賞して思ったのは、アイデンティティーとは何か、何によって定まるのかということ。物語では、複雑な家庭環境と社会環境のなかで苦悩する家族像が描かれている。予期せぬ偶然によって幸福な家庭を授かり、突然の出来事によって…

ドロップ

品川庄司の品川が監督した作品。目・耳にする評判がけっこう高かったので、ちょっと期待感をもって観に行った。実際に見てみて思ったのは、期待の持ち方が違ったなぁということ。映画としての出来の良さに期待を持っていたのだけど、実はもっと違う部分がこ…

クローズZERO2

このあいだ「にけつっ!」でジュニアがタイトルについて怒っていたが(ZEROで?って、絶対やったらだめだろう、と)。1作目がなかなか面白かったので、今回も観に行ってきた。1作目に続いてこの作品も、喧嘩のアクションシーンは迫力があった。とある批…

スラムドッグ$ミリオネア

こんなにドキドキした映画はあまり記憶がない。ドキドキする映画はいくつもあったが、これほどまでに長い時間をずっとドキドキし続けさせられた映画は思い浮かばなかった。僕がこの映画の存在を知ったのは、アカデミー賞のノミネートの後だった。受賞候補だ…

イエスマン “YES”は人生のパスワード

日常がなかなかうまくいかないジムキャリー演じる主人公が、とあるセミナーに参加したことをきっかけに変わっていく物語。何事にも「YES」と答え続けることを誓約することで、行動が変わり、さらには運命にも影響していくという。YESということの意義を扱う…

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

すごく不思議な後味の映画だった。この作品、予告編をみていたときは「エレファントマン」みたいな感じの作品かと思っていた。人とちがう容姿をもつことで、奇異の目にさらされつつも、自らの生きる場を探していく。哀しさの積もったストーリーなんじゃない…

チェンジリング

この映画、てっきり「change ring」だとばかり思っていた。実際は「changeling」。意味がわかってみたらストレートなタイトルだったのでちょっとびっくり。と、軽めに触れてから。2時間強とは思えないくらい濃密に詰め込まれた映画だった。絶え間なく続く緊…

誰も守ってくれない

志田未来・佐藤浩市らが出演、君塚良一監督の作品。モントリオール映画祭で賞をとっていたり、予告編から受ける印象もなかなか良かったこともあり、以前から鑑賞しようと思っていた。この作品では、殺人を犯した兄を持つ妹と、その保護に当たる刑事の姿が描…

ティンカーベル

「大丈夫、わかるわ」映画の中で登場するこの言葉がとても印象に残った。優しさにあふれた言葉だ。 ティンカーベルというと、僕が知っているのはピーターパン。しかも、昔、日曜日の夜7時30分くらいにフジテレビでやっていたやつ(フランダースの犬とかあ…

青い鳥

重松清の原作を映画化した作品です(僕は重松作品を読んだことはありませんが、世間からきく作品イメージは好みにあてはまる)。この作品、前に進むとはどういうことか、が描かれているように思った。作品のタイトルである青い鳥は幸せの象徴として認知され…

WALL・E ウォーリー

とても観心地の良い映画だった。みる前はもっと子供向けの映画になっていると思っていた。実際、観客も子供が多かったし。ところが、実際に鑑賞してみたら、十分に大人の鑑賞に堪える内容になっていた。さすがディズニー、そしてPIXAR。 まず驚いたのは、CG…

ハッピーフライト

ウォーターボーイズやスウィングガールズの矢口監督の最新作。個人的な感想だと、この作品がいちばん面白かったんじゃないかと思う(といっても、ウォーターボーイズはきちっと見たことがないのだけど)。最初から最後まで途切れずに話が進んでいたし、笑い…

「ブタがいた教室」

とある小学校で、「1年間ブタを飼育して、最後に食べる」という教師の発案からはじまった授業(といっても、課外授業)を描いた作品(もともとはドキュメントだったらしいのだけど、この映画では原作を基にしたフィクションになっている)。予告編を観たと…

トウキョウソナタ

人生、生きることについて考えさせられる映画だった。会社一筋に頑張ってきてリストラされた父、自分の意志を自由に選択して生きる兄、才能を持ちながらもまわりへの気遣いから発揮できずにいる弟、そうした家族を愛情をもって接しながらもどこかに疑問を抱…

僕らのミライへ逆回転

ぶっちゃけていってしまうと、予告編をみたときから実際に映画を鑑賞し終わった今に至るまで、「ずるいっ!」という言葉が頭に残っている。いんちきしているわけではなくて、「そりゃ、笑うよ、これ」という意味で「ずるい」と。 あんなリメイクされたら、が…

P.S.アイラヴユー

懐古と前を向くことの両方の大事さを感じることが出来る映画だった。この作品、予告編からすごく気になっていた。夫を亡くなってから手紙が届くというのは、とてもひきつけられた。原作もヒットしたという触れ込みもあって、すごく期待があった。そして、ひ…

コドモのコドモ

映画「コドモのコドモ」をみてきた。小学生の妊娠というインパクトのある内容。上映開始前後は、いろいろと記事でも話題になっていた。といっても、物語そのものは衝撃的なものではない。以前テレビドラマで放映されていた「14才の母」のような、問題を前…

ガリレオ 容疑者Xの献身

テレビドラマシリーズの映画版。こういうタイプの映画は、外れる可能性もあって、ちょっと不安があった。とはいえ、ドラマを見ていたのと、先日放送されたスペシャル版を観たこともあって、観にいくことにしたのだった。 ※ドラマ自体、意外と好きだったので…

パコと魔法の絵本

いい映画です。泣けるタイプの作品だと思います。 予告編やCMを見ると、微妙にイロモノ的な印象を受けた部分もあったのですが、後味はそうではなかった。僕も鑑賞していてうるっときました。 鑑賞終わり近くになったとき、ひとつのことを考えていた。「な…

アキレスと亀

北野映画最新作、見てきました。この作品、予告編をみたときに、名作のにおいがした。タイトルと映像をみた瞬間の直感なので、理由はよくわからない。でも、良い作品だろうという確信があった。その後、ベネチアで上映されるということをきいて「やっぱり」…

おくりびと

最近話題の映画「おくりびと」を鑑賞してきました。以前から映画館で観ていた予告編や、各種宣伝などなどいろいろと作品に関する情報は耳にしていました。モントリオール映画祭グランプリを受賞されてからは、それがさらに入ってきやすくなったので、意識的…

20世紀少年(2)

昨日は「良い」と感じたことを書いた。いっぽうで、こういう作りをしたことの難しさを感じたのも事実。作品の出来がよくない、ということにつながる感想ではないです。 僕が感じたのは、超高品質の原作物を大きな予算をかけてつくることの難しさ。難しさを感…

20世紀少年(1)

よくできている、という印象が残った。前評判であったり、宣伝なんかをみるたびに抱いていた印象が、そのまま作品にも通じるものだった。 僕は原作を全巻揃えているので、どうなるかなぁとちょっと不安を持っていたのだ。その不安はうまく解消されていたよう…

ダークナイト

ひさしぶりに同じ映画を2回鑑賞した作品。 理由はふたつ。ひとつは、内容のすごさ。もうひとつは、一回ではわからなかった。この映画の深さは、2回観たあとでも、同じような印象が残っているということ。2回目の鑑賞でも面白かった。内容のすごさを感じた…

ベガスの恋に勝つルール

予告編の印象とかから、なんとなく自分好みなんじゃないかと思っていた。で、作品イメージが先行してしまった。実際に見てみたらちょっとちがうところがあって、特に前半はどうしようかなぁと思ったり。 でも、後半にしたがって、好みに近いところも増えてき…

この自由な世界で

濃い映画だった。 麦の穂を揺らす風とくらべると、戦争を扱っていない分だけ重たくは無い。それでも、十分に見ごたえのある映画。 最初に驚いたのは、さっと作品に引き込まれていったこと。 冒頭シーンから本題に入るまでは時間の割りに展開が大きい。なのだ…