「お試しかっ!」2時間で4分のネタをつくれ

「お試しかっ!」という番組がある。タカアンドトシがメインをはっている番組。


昨日放送されたのが「2時間で4分のネタをつくれ」というもの。
出演者が「タカアンドトシ」「笑い飯」「サンドウィッチマン」の3組。


この企画、なにがすごいかって、この短い時間でネタをつくれというだけではなく、さらにいくつもの制約が加わるのだ。


 ・真剣に笑いをとりにいく(M1に臨むくらいの気持で)
 ・下ネタ等禁止
 ・7つのキーワードを入れる


制約があるとやりやすさもあるのだけど、それ以上にきつさが増すのも事実。少なくともこの企画においては。


前のふたつは、ようは「ガチでいけ」ということなので、実はいちばんきついと思う。ガチでネタをつくれっていわれても、2時間という枠がそもそもガチではないだろう、なんて思いたくなるんじゃないかと。しかも、3組が続けて順番に舞台で披露するという。
プロが特殊な場面と設定で、プロの技を求められるのが、いちばん嫌だと思われる。道考えても、ハイリスク・ローリターンなのだから(^_^;



そして7つのキーワード。これは、これをつくったスタッフ・作家の面々もかなり考えている。うまい。


「北京」「金メダル」「谷亮子」「ハンマー投げ」「北京ダック」「万里の長城」「ゼンジー北京


北京オリンピックつながりと思いきや、実は「万里の長城」が曲者(ただし、僕はこのキーワードをみた時点では気づかなかった)。
他のキーワードはなんだかんだでつながる(語感ないし一般知識(谷亮子と金メダルとか))。でも、万里の長城は、他の言葉を結びつけるのと比べると、つながりがちょっと異質。「中国」という括りくらいしかないのだ。
これをどう料理するかというが、なかなかの醍醐味だった。



番組では、ネタ作りの様子も描かれていた。これも実に面白い。


・コンビによって作り方に個性がある(というか、ぜんぜん違う)
 これはすごい興味深かった。タカアンドトシは、タカが台本を書きながら、よこでトシが細くしていくというスタイル。笑い飯は、アドリブをひたすら積み重ねていく。サンドウィッチマンは、双方で「つっこみたいフレーズ」「ボケたいフレーズ」を書き出して、それを組み合わせていくという。特にサンドウィッチマンのスタイルは新鮮だった。これまでに見たこと無いかも。


 このネタの作り方のスタイルは、それぞれのコンビのスタイルとも共通する感じがあって、それがまた面白かった。正直、これだけでも放送1回分をゆうに確保できるくらい面白いと思う。いろんな芸人でやってほしい(^_^



・ネタがかぶる
 ほぼ同じようなネタがかぶった。特に、キーワードの制約条件のところ。
 たとえば「谷亮子」から「田村で金、谷で金、ママで金」というフレーズは確実につかっていた。このあとに続くフレーズも「前田吟」と「前田隣(りん)」の違いだけだったり(笑)
 やっぱり、ネタとして使える発想の基礎となるものはあるんだろうな。特に、こういう「外したくない(すべりたくない)」場面だと(^_^;



・コンビの味を詰め込んだネタ
 苦しんでいたとはいえ、そのなかでも、それぞれのコンビが持ち味を発揮したネタもだしていた。
 笑い飯であれば双方にボケあう展開に突入していったり、タカアンドトシであれば「欧米か!」を軸にしたテンポのいいボケと突っ込みの連発に入っていったり。
 僕がいちばんはまったのは、サンドウィッチマンのつかみ。他の2組は、ネタの冒頭から北京オリンピックの話題に入っていった。ところが、サンドウィッチマンはちがった。


 「旅行にいきてぇなー」という話から「フランス」といっては「あ、いいねー」と乗り、か「イタリア」といっては「あ、いいねー」と乗り、これを何カ国も繰り返す。で、ある程度いったところで「頼むから中国いってくんねぇかな」のつっこみ(笑)
 いや、この時間でこのつかみを作るのは、さすが。M1制覇は伊達じゃない。突っ込みは伊達だけど。




昨年末にサンドウィッチマンがM1で優勝したときは、ちょっときついかなぁ、と思っていた。でも、こうしてみてみると、十分に面白い。いままでのM1チャンピオン的な活躍はしにくいキャラクターではあるけど、こうやって面白いネタができるということは実力があるということ。そしてそれを披露する機会がある限り、きっと活躍していくと思い直したのだった。


それにしても、面白かったなぁ。けっこう満足(^_^