噂のアゲメンに恋をした!
これも面白い映画だった。
色気と下系がけっこうたっぷりと入っていて、苦手な人にはちょっと受け付けにくいかもしれない。
でも、それを補ってあまりあるくらい、しっかりとした物語。
面白いと思ったのは
・いい感じのおバカさ加減のネタ
・魅力的な欠点にあふれるキャラクター
・実は芯のあるストーリー
といったあたり。
おバカさ加減は、ちょっと書きにくい(笑)
「そこまでやるの?」と引いてしまいそうなときもなくはないけど、全般的に面白かった。ここまであからさまだと、笑ってしまいます。きっと。
ただ、この映画がテレビ放映される(少なくともノーカットでは)ことは、無さそう・・・(^_^;
物語の世界に入り込んでいくのにいちばん効いていたのが、キャラクター。
愛していると言ったことの無い遊び人の歯科医、見てくれも内面もあからさまにもてないクンの形成外科医、あらゆる場面で信じがたいドジを繰り返す美女、哲学書を巻紙にマリファナを吸う飼育員、等々。
世間的にみて憧れを感じる要素と、弱みとみられる要素がすごく混ざり合っていて、でも人間的に憎み切れないタイプばかり。素晴らしいのは、各人をつなげる要素となっているのが、表面上は強みとして見えてこない(ほかの事で隠れている)ものであるところ。
いちばん印象に残ったのはストーリー。あげメンという設定を考え付いた時点でもすごい(僕がこの映画を観ようと決めたのは、この設定をきいた時点だった)。また、この設定を軸に、実にあほらしく愉快で楽しく、時に苦しんだり悲しんだりして話が進んでいく。
特に、あげメンであることをいったん受け入れたあと、あげメンであることが自分の身に矛盾となって降りかかってきて、悩み苦しむ姿。そして、それに対してもがき、いかにして乗り越えていけばよいか向き合っていく姿。その先に得られるもの。そうした生きている様が伝わってきた。
それと、こうした内容を盛り上げるための組み立て(構成・演出)がいい。アメリカ映画でこの規模の作品(特にラブストーリー)は、すごく自分の好みにも合っている。物語に引き込まれていくのも、展開を盛り上げていくのも、後味の良いエンディングにするのも。
この映画をみていて、あらためて気づいたことだった。このあたりは、また別の機会にまとめたいとも思ったり。
さて。幸か不幸か、この主人公の気持を理解できるようなシチュエーションになったことがないのですが。
ただ、それでも共感できることはたくさんあった。学ぶこともたくさんあった。
この映画をみると、「自分にとって大切なことは何か」ということにつながってくると思う。それは、自分自身に対することでもあり、相手に対することでもあるということ。相手のためになっていても自分のためになっていなかったり、その逆であったりでは、最善の幸せではない(ケースが多い)。
そして、どうしても大切なものとどう向き合うか。大切なものを見つけたとき、手に入りそうになって壁にぶつかったとき、壁を乗り越えようとしたら失敗したとき、それでもなお大切であることを理解したとき、その上でやっぱり手にしたいと思ったとき。
自分に素直になることで反発してしまうこともあるけど、その上でなお素直になることで、きっと通じ合うことができるようになる。そんな気持・エネルギーが湧いてくる映画だった。
あと、最後に。印象に残ったひとこと。物語の後半に入ってでてくるセリフですが、意外とあっさりと通過していくシーンなので書いてしまいます(あまりネタバレにならないということで)。
「欠点があるから好きになる」
素の状態でこの言葉が言えるように、関わった人からそういってもらえるように。どちらも満たされている人になるように(^_^