HAPPIER
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HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド ハーバード大学人気No.1講義
- 作者: Tal Ben‐Shahar,タル・ベンシャハー,坂本貢一
- 出版社/メーカー: 幸福の科学出版
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 123回
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「幸せになりたい」
こんなセリフ、以前はこっぱずかしくて言えなかった。でも、今はちがう。実際、少なからず人目に触れる「場(書評blog)」にさらすことに、抵抗はまったくない。幸せを願い、求めることは、とても素晴らしいことだ。心からそう思える。
そうした思いをもてるようになった最大のきっかけが、「HAPPIER」を読んだことからでした。
この本では、この質問に対する著者の回答、「人はみな幸せになることができる」という信念が貫かれています。しかも、上段から概論をふりかざしているわけではなく、人々の日常に根ざして考え、行動するための内容が記されています。
ハーバード大学で人気No.1だったという表紙に興味を引かれて手にした本書でしたが、そんな触れ込みはまったく関係ないと思えるほどに。
■幸せについて真摯に見直すきっかけ
私たちは今、こんなに豊かになっているのに、なぜ幸せではないのだろうか?
この本の冒頭部で、著者から投げかけられる質問です。僕自身、ものごとを悩んだり考えたりする中で、たびたび疑問に思いつつ、そして答えと思えるところまでたどり着けないものでもありました。
そんな僕が本書を読んですっきりできたのは、
目的地に到着することをたたえるシステムが定着している
目標を達成したときに感じる開放感を幸せと誤解する
という内容のおかげでした。
いずれも斬新なアイディアではないかもしれませんが、幸せにつながらない要因として「根っこ」にある大きな要素だと思いました。だから、心に響いたのだと思います。
そして、もうひとつ。幸せの捉え方について、本書全体にわたって軸となる考えがあります。それは
幸せは喜びと意義の同時体験
幸せは究極の通過
幸せのイメージを、誤解なく理解することができる素晴らしい定義だと思います。
さらに、
今までよりも幸せになるということは、何かを変える必要があります。
という当たり前とも思える壁があります。しかし、とても難しい。
これを乗り越えるには「習慣化」がとても重要で効果があると説かれています。
【自分を振り返ると…】
僕は本書を読んで、2つことを習慣にすることにしました。それは「日記」「部屋の掃除」です。決めた時点では「それが幸せになるかどうか」はよくわかりませんでした。ただ、いずれも直感的に効くだろうと思ったので、取り組むことを決めたのでした。
■幸せにつながる目標との付き合い方
本書では「目標設定の意味合い」をこのように説明しています。
(目標設定を通じて)人が決意を固めた瞬間、すべてがその人のために動きだす
目標を達成することよりも、それを持つことのほうが重要
では、目標はどんな役割を果たすのか。それは「フロー状態」を生み出すこと。スポーツの世界でいう「ゾーン」といった方がよく知られているかもしれません。
フロー状態とは「行っていることに完璧に集中していて、気を散らされることが無い」かつ「大きな喜びを体験しながら、よい結果を出す」ことができる状態。
しっかりとした目標が定められているからこそ、没頭ができる。だからこそ、フロー状態に到達することができ、ひいては喜びも成果も手に入れることができる。
ここでは、目標設定に当たって大切なことも細くされています。それは「難しすぎもせず、易しすぎもしない」ということ。
現実では「不安につながるプレッシャーに満ちた環境」や「退屈さにつながる、努力の不要な環境」が与えられたり望まれたりすることが多いように思います。
【自分を振り返ると…】
目標設定は、とても重要だと思います。僕自身が設定したのは
・日記…毎月25エントリー以上書く
・掃除…毎週3日以上、床掃除をする
いずれも「できるけど、簡単ではない」という按配をうまく押さえられたものだと思います。
興味深かったのは、「目標を進化させたくなる」ということ。一定期間を続けていると、目標そのものが「易しすぎない」という条件から外れてしまいます。自分の経験で「これは良い実感だなぁ」と思ったのは、「目標を高く設定しなおしたくなる」というものでした。自然にふつふつとわきあがってくる。結果的に、日記は毎日、掃除も毎日という設定に。特に日記については、1000文字以上を毎日書くというところまで上がっていきました。
世の中では目標というと「ノルマ的に与えられるもの」という印象もあると思います。自分自身そういう感覚が強くありました。しかし、実体験として「高くしたくなる」という感触を覚えられたことは、そのこと自体に喜びを感じられるものでした。
■幸せをつかむために揃えておくもの
目標を設定したからには、それをクリアしていきたい。これを適切に乗り越えていくにはどうしたらいいか。
本書に示されていたもので僕が特に印象に残ったものが3つありました。「勇気」「無条件の愛」「幸せブースター」です。
勇気とは、怖いけれども前に進むこと。
無条件の愛とは、相手のコアセルフ(性格的・能力的・欲求的特徴)を愛しているかどうか
幸せブースターとは、喜びと意義をもたらしてくれる数秒から数時間で行える活動
勇気によって機会を得て、無条件の愛(を通じた人間関係)によって喜びが倍増し、幸せブースターで前に進み続ける意欲とエネルギーを補充する。この循環をまわすことができれば、幸せにあふれた時間がだんだんと増え続けていくのだと思います。
僕が本書でもっともジーンときた言葉があります。
私たちが内側でもっとも恐れているものは何かをうまくできないことではなく、私たち自身の果てない可能性です
自分が体験している良いことを素直に喜べないことは、不幸への道を選択すること
幸せになりたいと思っているのに、そうでないことに目を向けてしまう。それは「その人個人の問題」ではなく、人が本来的にもっているもの。これを心から受け止めることができたとき、幸せが個人のものではないことを本当に理解できるのだと思います。
私たちは、他の人たちを助ければ助けるほど幸せになります。
自分が幸せであればあるほど、他の人たちをもっともっと助けたくなるのです。
この言葉を心からいえるようになる。それが、人生を通じて目指すことなのだと思いました。
【自分を振り返ると…】
日記を毎日書くというのは、多少なりとも勇気が必要でした。宣言するからには絶対に達成する覚悟をもっていたし、本当に毎日書くという制約にするつもりだったからです(翌日以降に前日以前分を書いてもOKとはしなかった)。
無条件の愛というのは、日記ではそれほど…(^_^;
ただ、安心して取り組める環境があったことは事実です、カウンターが上昇する様子、コメントやトラックバックされたものは、好意的なもの。実際にあったときに「あのblogに書いてあったこと?」とか「あれは面白かった」といった反応をもらえる場だという実感があったことで、安心して取り組めたのだと思います。
日記のよかったところは、それ自体が幸せブースターになることです。あとは、並行して「映画」や「お笑い」を続けていて、それがblogと相乗効果みたいに自信になることもあり、エネルギー補充ができたようにも思います。
結果、途中途中で変化していったものも含め、すべての目標を達成することができました。とはいえ、この時点では「他の人を助ける」という段階にはたどりついてはいません。このあたりを目標として活動しているのが、今年度になります。
こうして書評blogを書き、応募しているのも「他の人の助けになったらいいなぁ」という期待をもっていることが背景にあります。受賞できるほどに評価を受けられればそれに越したことはありませんが、まずは何よりも、この素晴らしい本を、必要としている誰かにつなげるきっかけを担えたらいい。そんな風に思っています。
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