今田耕司

今週の「しゃべくり007」、ゲストは今田耕司だった。

この番組をみてて、今田はやっぱりすごいなぁと尊敬しなおした。何がどうすごいのかというのをまとめてから日記に書こうと思っていたのだけど、なかなか進まなかったのでとりあえず書いてしまうことにする。


今田について何よりも感心するのは、「その場を楽しく盛り上げる」ことに集中しつくしていること。今田がモニターに映っている番組は、そのほとんどが「楽しい」笑いに包まれている。今回の番組でも、その雰囲気はたくさん感じられた。


今田ならではと思うすごさ、いくつか思うことがあった。お笑い芸人としての、腕っぷしの強さが半端じゃないのは、もう言うまでもないので、それに付随する部分で考えてみる。

※腕っ節の強さの種類について考えるのも面白そうなのだけど、今回は割愛。ダウンタウン松本や島田紳助のように「たとえ」のうまさが際立っている、あるいは「たとえ」がうまい上に強烈に独特な視点から切りだしてくる関根勤、などなど。いろいろと要素はあるのだけど、今田はまた違う強さを持っていると思う。
 なんとなく思うのは「反応が速く強く、かつ正確」、それと「(反応を支える)先読みする力と展開力」、それと「お笑いの力量を測る目利き」がずば抜けて高いといったあたりでしょうか。


ひとつは、すべてのことを拾う姿。基本的には、まわりにいる人たちが活きるように話を振る。自らも芸人オタクだから、どういう振りをすれば輝くかを知っていて、実行するという感じだろうか。
また、まわりのタレントが無茶ブリしてきても、必ず拾って笑いにつなげてしまう。スルーしたり引いて笑いを取ることもできるかもしれないが、基本的にはあたたかく受け止めてあげるというスタンスなんじゃないだろうか。しかも、それできっちりと笑いをとるから、振ったほうも助かる。


あと、人を傷つけるようなことをほとんどいわない姿勢もいい。いいことしかいわないわけじゃないけど、少なくとも「人が傷つくようなことをいって、(自分の手柄として)笑いをとって終わり」みたいなことは絶対やらない。活躍している人はさすがに露骨にやることはないけれど、今田ほどこの要素が薄い人も珍しいと思う。

ただし、自分を(ないしは、ツーカー以上の仲にある人を巻き込んで)思いっきり落とすことはある。自虐の笑いは度が過ぎるとあざとさが見えてしまうのだけれど、これも今田の場合はほとんど感じさせない。たぶん、落とし方が「アホな少年」の方向にもっていくからじゃないかと思ったりもしたが、どうなんだろう。
いずれにしても、今田の稀有な才能の一要素ではあると思う。



そして、何よりも「お笑いが大好きだ」というあからさまに放出される雰囲気。
面白い場にいることを誰よりも楽しんでいる。その場が面白いかどうかではなくて、その場にある面白さを見つける、あるいはその場で作るという意識。大御所といっしょになるのを煙たがる芸人も多いが、今田の印象は「どんどん絡んでいかないともったいない。面白いんだから」という感じ。目指していることが「自分の思い通りにできること」ではなく、「一分一秒でも多く面白いと思える時間を増やす」ということにあるのかなぁ、と思った。



といったことを考えていて、自分が目指したい姿が今田の要素にけっこう多いんじゃないかと気づいた。ということで、ちょっと今まで以上に今田を観察してみようかと思ったのだった(^_^




この番組でいちばん印象に残ったのは、今田に対して「いまいちばん面白い芸人は?」と質問したときの回答。

今田の答えは・・・・









バカリズム



この場のこういう流れの中で、バカリズムと答えられる今田をまた尊敬したのだった。

バカリズムはコンビのころはそんなに好きではなかったのだけど、ピンになってから(特に「トツギーノ」をやるようになってから以降)は相当に面白いと思う。「○○な話」にでてたときにトークもネタと同様に独特の面白さがあることを知って、これはかなり力があるのだなと感心したのを思い出した。