イタツキ

ヒデ主催のイベントというと、夏の下ネタライブが記憶に新しいところ。今回は「イタツキ」という名称にも興味を持ったので、いってみることにしたのだった。

ペナルティ ヒデ/バッファロー吾郎 木村/くまだまさし/ロバート 秋山/ジパング上陸作戦 チャド/ハリセンボン 春菜/ニブンノゴ! 森本


(1)VTR
いきなり「そこそこ長めのVTR(5分くらい?)」からはじまった。ここまでがっつりとVTRからはじまったライブははじめてかもしれない。

国語辞典をもちだして「イタツキ」から派生(?)する言葉をいろいろと引き出しながら、エピソードVTR的に芸人達が登場して巻き込まれていくのだった。板倉や堤下といった、今回のライブに出演していない面々もでていて、いまひとつ捉えにくかったのは実感(^_^;

面白かった(というか、完全に標的にされていた)のは、南海キャンディーズ山里。あきらかにアポ無しで、いきなり楽屋にヒデが入ってきて、問答無用でクラッカーを「パーン!!!」と鳴らしてその場を去っていくという。このあとに流れるブリッジVTRでも似たような場面が南海か出てきた(笑)



(2)子育て
ヒデとくまだまさしの二人で繰り広げるコント。
どうも、5年前にペナルティでやっていたコントの延長らしい。コントが始まる前、当時のペナルティのコントらしきVTRが流れていた。そこには、「今度、父親になるヒデ」と「産婦人科医らしきワッキー」がいて、おそらくワッキーがこしらえたであろうギャグ的な動きをヒデがまねするというもの。このVTRが流れたとき、悲鳴めいた歓声もごく一部からみうけられたので、有名なねたなのかと思われる(でも、僕は知らない)。

今回は、くまだまさしが育児指導をするというネタ。あきらかにヤクザの風貌を持つ保育師みたいな設定。この二人が、最初は子供の育て方について話をするところからはじまり、随所にくまだの小ねたが組み込まれていくという流れ。最終的には、くまだのネタ押しになっていくという。

印象に残ったことを、キーワードだけ。

 ・くまだの尻はえらいきれいらしい(ヒデいわく)。どうも、毎日化粧水をつけているとか。
 ・くまだクラブ。セットの一部に置かれていた雑誌。この本だけはオリジナルで用意したみたい。面白かったのは、表紙の写真がヒデの幼少時代のものだったということ。ネタ中に突然気づいたヒデの様子が面白かった。ちなみに、昭和47年(?)生まれなのに白黒という。しかも、兄の写真はカラーだという(笑)
 ・桃太郎とバーミャンのロゴ
 ・ラバーカップ(トイレのつまりを治すやつ)がとれない。頭にくっきりと痕が・・・。
 ・ピーターパン


(3)2007
ヒデとチャドのコント。
チャドが未来から送り込まれたターミネータの設定。ヒデは交番に勤める警察官で、あやしいチャドをみてひっぱってくるという。
裸のチャドが「自分はロボットだ」といってくるので、おでんや警棒を駆使して、チャドの反応でロボットかどうかを確認するというところからはじまった。ここで、ヒデがチャドをたたきすぎたせいか、想像以上に真っ赤になってしまい、ヒデ自身が引いてしまったという(笑)

その後、グランジがもう一人の未来からの使者として絡んできた。すると、なぜかおおぎりに内容が切り替わった。ちなみにお題は
 ・未来の信号の新しい色と意味は?
 ・太陽にほえろの新「ボスのひと吼え」は?
 ・未来あるある
という3つ。
まあ、回答は、なかなか難しい・・・(^_^;



(4)アラウンド30 
ヒデとハリセンボンの春菜のコント。
つきあって3年が経つこともあって、結婚したい春菜が「なんとか気づかせよう」と懸命にアプローチする。
中華料理の出前注文のネタ(たくさん頼んだら春菜ひとり分だったとか)や、海外旅行をふったときのネタ(マイケルムーアじゃねぇよっ!)とか、いろいろ定番がちりばめられていた。
しかし、このコントの最大の見せ所は、春菜の泣きの芝居。この人、この芝居、何回見てもめちゃくちゃ面白い。なんなんだろう、あれ。ゆくゆくは、藤山かんび並みの芸になってしまうんじゃないか(笑)

そして、このあとに続く、ヒデが春菜の思いに答えるシーンは、かなりうまかった。こういう流れは、ヒデの真骨頂のような気がした。それくらい「さらっ」とうまいことこなしていたと思う。女性客からの「きゃ〜っ!」という歓声はなかなかのものだった。あれ、普通にドラマでも使えるぞ、きっと。

一個だけ気になったのは、ゼクシィのフリ。春菜が席をたったとき、ヒデがゼクシィの存在に気づいたシーンがあった。コントの最後に、それは「意識させるために春菜がおいたもの」とわかるのだが。僕は、これは「(部屋の持ち主である)ヒデがもともと持っていたものをあわてて隠した」のだと思っていた。観終わってみても、そっちのほうが・・・、と思いつつ。ま、素人が余計なこといってはいかんな。

ちなみに、この日の春菜の髪型は、なかなかにあっていたと思う。丸顔がうまいこと生かされた感じだった気がする。



(5)張本3姉妹
ヒデとロバート秋山とのコント。
張本3姉妹(ヒデが次女、秋山が3女)という関係。長女が東京にでていったので、部屋を次女が引き継いだのだけど、長女の化粧品は3女が狙っていたのでもひと悶着する、という話。

キーワードを書き残しておくと
 ・結果見ないじゃんけん
 ・姉妹憲法
といったところでしょうか。

このネタ、ひとつだけ問題があった。近くに猛烈な秋山ファンらしき人物がいて、その反応がいちいち視界にはいってきてしまい、集中して楽しむことができなかったのだ。舞台で演じている芸人に向かって手を振っても、その姿が視界に入る客にとっても、縁者にとっても集中をそぐことにしかならないことに気づいて欲しい。



(6)スラムダンク
いろいろ出演者がいるのだが、メインキャストはヒデとバッファロー吾郎の木村。あと、微妙にニブンノゴ森本。

このコント、はじまりからしてずるい。木村と他の出演者の身長差で笑わせるなんて(笑)
その後も、木村節のオンパレードだった。バスケのできる出演者陣にあしわられる姿や、マイクのスイッチをONにし忘れて冒頭がききとれないという失態(しかも、リハーサルから本番で実際にマイクを手に取る寸前にいたるまで、何回も繰り返しヒデに注意されていたらしい)。

今回のコントの中で、いちばん爆笑した。これ、面白すぎる。言っちゃ悪いが、キングオブコントのねたよりも笑った。
特に印象に残った言葉をふたつ。

 ・「ちがいます、おれ、木村です」or「俺、○○じゃねぇ」(「立川談志か」みたいにつっこまれるたびに、こんな感じで返していた)
 ・ほねかわすじえもん(ガリガリにやせたという件があったときに、つけくわえていたネタ)

いや、木村、すごい。



(7)ブリッジ
各ネタの間は、ブリッジVTRだった。「何回でできたでSHOW?」という企画、なかなかよかった。
ヒデがなにかに挑戦して、成功した瞬間を最初に写す。で、これが何回目にできたか、という。

 ・木村カエラの局をききながら、ウルフルズの「バンザ〜イ!」をぴったり合わせる
 ・後ろ向きで紙をなげてごみ箱に入れる
 ・ダーツでまんなかにあてる
 
などなど。

これ、普通に何かのイベントで使えると思う。クイズ形式にすると。こういう感じの企画、ヒデはものすごいうまそうな気がする。




といった感じで、感想終了。おもしろかった。最後に木村で大爆笑できたので、けっこう印象がいい。これは、構成がうまかったのだと思う。

それにしても、ヒデはアクのない絡みというか、まわりを動かすのがうまいと思う。言葉がききとりやすい発声と声質で、かつ言い回しが下品じゃない。若かった頃はもっとナルシスト的な感じがあったのだけど、いまはそういったにおいも収まった。いろんな場面で必要とされるタイプの芸人だとあらためて思ったのだった。


今回のライブ、なんでだかわからないけど、客の埋まり具合がよくなかった。半分くらい空いていたかもしれない(言い過ぎか?)。満席でもぜんぜんおかしくないくらいの出演者と面白さだったのだけど。もったいない。次回があったら、ぜひいってみることをおすすめします(^_^