流行語大賞

ちょっと遅いですが反応。
毎年大々的に報道される話題だけど、個人的にはあまり盛り上がるほどではない。なんのためにやってるのかよくわからないのと(最近は特に)、そもそも選ばれる基準もいまいちわからないのと。

とはいえ、少なからずニュースやら何やらで目や耳から入ってくるもの。で、今年のエントリー内容を知って、ちょっと驚いた。それは「世界のナベアツ」がはいっていたということだった。


聴いた瞬間に頭に浮かんだのは

 「オモローじゃないのっ!?( ̄□ ̄;;」

ということだった(^_^;
せめて、「イチ、ニ、サンッ!」か「3の倍数」だろう。

だいたい、なんで「世界のナベアツ」が流行語なんだろう。世界のナベアツ自体は、昨年以前からナベアツのキャラクターとしてでまわっていたので、いまさらそれを流行語といわれるとちょっと違和感が・・・。
※まあ、以前ははやっていなかったから、今年の流行語だといわれるとそうなのかもしれないけど。

あと、そもそも「世界のナベアツ」は「流行したもの」であって、言葉として流行したわけじゃない
世界のナベアツ」という言葉をそこかしこで使っていたわけじゃないんだから。


とはいえ、このあたりは「ぱっ」と思いついたジャブ的な話で。実はもっと感慨深い印象をもったのだった。


ジャリズムが若手として活躍していた頃(15年以上前)から、ジャリズムの面白さにはまっていた。解散後も、テレビ番組のエンディングテロップに放送作家として表示されるナベアツの名前に複雑な感じをもったこともあった。ジャリズム復活後は、ほぼすべての単独ライブにいった(東京で開催してたものは)。
そして、何よりも、ブレイクのきっかけとなる「3の倍数」を舞台でおろした場面にも遭遇することができた。そんな、経緯を踏まえて、ナベアツが活躍していき、流行語大賞にエントリーされた。それだけでもけっこうジーンと来るものがある。


さらに、もうちょっと印象が強く残る理由もあった。それは、ナベアツの今年の活動。

ナベアツは、今年に入って早々に行われた「世界のナベアツ」の冠を題したライブ(相方の山下は登場していない・・・(^_^;)で、「オモロー」をものすごい多用し始めたのだった。
もともとは、年始の特番で「相方の山下」が使い始めたギャグ、「オモロー」。しかし、この「オモロー」を誰よりも使いこなせない山下に代わり、ナベアツが一気に世間に浸透させるかのごとく使いまくっていたのだ。

で、ライブでも登場するなり「ゥオォモロォーーーッッッ!」と観客に響き渡らせるように叫びまくっていた。この頃はまだ観客もいまいちついていっていない。しかし、ライブの回数を重ねるごとに、テレビに出演して使うたびに、どんどんと浸透していった。


今年早々のライブの時点から、ナベアツはこの状況を狙っていた(はず)。ライブでも「世間に流行らせる」的なことをいっていたので。

この「狙って、実現させた」というところに、ものすごく感動したのだった。ライブでは「流行語大賞」という表現を使っていたかどうかは憶えていないけど、でもそれくらいの勢いは感じていた。だからこそ、このエントリーされたという事実だけでもすごいと思う。まぐれ当たりではないのだ。

ファンであった僕でさえ、年始のライブでこの話を聞いたときは、冗談だと思っていた。でも、冗談の割には妙に長いこと続けるし、何度も何度も使うなぁ、と思っていた。ナベアツというキャラクターのなかでやっていることもあって、どこまで冗談なのかよくわからなくなっていった。

でも、今は分かる。ナベアツは、本気だったのだ。このブレイクするチャンスを決して逃さないためにも、やれることを・やるべきことを・やりたいことを全力でやりきっていたのだ。「オモロー」を中心とした流行語につながるギャグを長い期間連発しまくっていたのも、その一環だったのだ。

芸人が同じことを短期間集中的に続けることは、すごく怖いと思う。流行語を狙う的なことを公言してしまうことも、すごく怖いと思う。でも、それをやりきって、達成しつつある。いや、達成したといっていいと思う。

僕は、そんなナベアツを、あらためて尊敬したのだった。



今年もあと1ヵ月半。一気にブレイクした分、勢いが衰える怖さもあるだろう。しかし、ナベアツの才能と努力は、それを乗り越えられるものだと思っている(ファンとしての贔屓目無しにしても)。来年以降も、継続して活躍してもらいたい。

できれば、ジャリズムの単独ライブは復活させて欲しいところだけど、昔みたいな小さなハコでやるのは無理なんだろうなぁ・・・。