最高の人生の見つけ方

タイトルのとおり、生きることを考えさせられる映画だった。
人生をまっとうしたと思うにはどうしたらいいか。実際にどうであるかは、そのときを迎えたときにしかわからないと思う。ただ、死ぬまでの時間がわかったとき、本当に真剣に考える・やる機会をえることができる。


映画では、棺おけリストという「死ぬまでにやりたいこと」を書くリストがでてきて、ものがたりの大事なポイントになる。
実は、僕自身、似たようなことをしたことがあったのを思い出した。そのときは、ただ単にやりたいことを書くだけだった。別に死ぬことを意識したわけでもないから、ただ単に思い浮かんだことを書くという。



頭に浮かんでくることというのは、けっこういいかげんというか、役に立ちにくい。普段から考えているかどうかで違うとは思うのだけど。映画でもなんとなくそんな感じがある。どういうことがでてくるかというと


 ・即物的なこと(ずっと欲しかったものを手に入れるとか、経験するとか)
 ・憧れ的なこと(世界一の〜を〜する、とか)
 ・崇高的なこと(平和のために、幸福のために、とか)


こうしたものが浮かぶことについて、なんで「役に立ちにくい」という言い方をしたか。それは、ここにあがったものって、たぶん「リストを書くことによって知りたかったこと」とはちょっと違うのだ。
「で、このあと、どうしようか」という感じになってしまう、というか。



では、リストにするのは意味が無いかというと、そうでもない。意味があるものにすることができる。それは、やってみること。
やってみると、わかることがある。やる前にきっちりと考えて、そこからはじめてやってみるのも大事。なのだけど、頭に浮かんだことや感じたことに率直にしたがってみることがけっこう効果がある。


やってみるとわかることがある。やってみて、新しくリストに加えるようなことがでてくることもあるし、やってみて「やらなくてもよかった」となることもある。やっていく中で、リストにあるほかの項目について「これは違う」と気づくものも出てくる。



映画では、主人公の二人がいっしょに行動することで、お互いの理解を深め合う中で、気づきの効果が高まっていく。リストに挙げた時点から意気投合したくなるようなこともあれば、相手の価値観に合わせることで新たに気づくことが出来るようなこともある。場合によっては、余計なお世話としか感じないこともある。


でも、それが、実はいちばん大事なことだったりする。そのことに気づき、行動し、感謝する。
きっと、それが、最高の人生の送り方なんじゃないだろうか。




とはいえ、実際にやるとなると、けっこうめげることも多い。僕はそのタイプ。
これまでの経験からわかったことは、うまく向き合っていくには「直感にしたがう」こと。「やっておこう」「やめておこう」、どちらのケースでも直感にあまり逆らわないようにする。


悩むのは「やったほうがよさそうだけど、ちょっとなぁ」と思うとき。こういうときは、少し深く入り込んで考えて、どちらの度合いが強いかを考える。多くの場面で、やったほうがいいことが多い気はするのだけど。そうはいっても、嫌だと思いながら参加しても、自分にとってもまわりにとっても心地悪さが残るようなケースもあるもの。いまのところは、自分に素直に動くようにすることを目指している。


目指しているというのは、わかったからといって行動することは難しかったりするから。このあたりは、まだまだ精進していくべきところなのです。




そんなこんな考えさせられる、意義のある映画だと思います。そして、この出演者たちだからこその映画だと思う。少しも威圧的な演出はないのに、重厚感も存在感も迫力もある映像とストーリーでした。
もうちょっと早く見ておけばよかったとも思いつつ。


でも、最近読んでいる書籍類とのつながりも感じているので、観るべくして今のタイミングで見たのかな、とも思ったり(^_^