パンクブーブーとふとっちょ☆カウボーイ

どちらも昨年にはまった。
奇しくも、この二組が、本日のレッドカーペットにともに初出場。
残念ながら、ものすごくはっきりと明暗が分かれてしまったけれど・・・・。


まず、「満点大笑い」を獲得したパンクブーブーについて。
僕が記憶に残るレベルで初めてみたのは、ちょうど1年位前のライブ。最初、出場者の中に名前を見たときは、「聞いたことはあるけど・・・」というくらいの認識だった。何かの番組でちょい出場した姿を観たことはあるかもしれないけど、少なくともネタの印象はなかった。


そんな中、ライブで観た漫才は、なかなかに面白かった。そのときは、「おっ、こんなコンビいるんだ」という驚き。正直、この感じで勢いに乗っていったら、M1の決勝にも残るんじゃないか、とちらっと期待していた。それくらい「ひっかかり」を持っていた。
でも、昨年の決勝には残ることはなく、半年以上、ネタを見ることはなかったのだった。


ところが。ちょうど2ヶ月くらい前、これまた別のライブで、彼らの漫才を観た。
これまた面白かった。当時よりも、洗練されていた。少なくとも、ネタそのものの記憶も残っていたので、かなり良かったのだと思う。
彼らの面白さは「しっかりと練りこまれたオーソドックスな裏切り」のネタで構成されていることと、ネタの面白さを引き立てるための「芝居のうまさ」、耳心地の良いテンポ、といったあたりにあると思う。特に、最後の「耳心地」には「良い意味で耳に残る声質」も影響していると思う。


今年に関しては、順当にいってM1決勝はありえるんじゃないかと思っていた。今回のレッドカーペットで一気にメジャー化していく可能性もあるから、意外と当たるんじゃないかと思う。
(本当は、夏くらいにもういちど「めちゃいけ 笑わず嫌い王」をやって、そこから出て行くのがいちばん売れそうな気がしていたのだけど、まあしょうがない)


とはいえ、このコンビにもネックがある。
ひとつは、「華」が弱いこと。僕が昨年はじめて見たときから、今年何度か見たときも含めて、その印象が変わっていない。昨年に比べるとかなり垢抜けたのは事実なので(特に、ボケの雰囲気はかなり変わった気がする)、このブレイクを通じて一気に換わっていくのかもしれない。ここは、微妙なところだけど、それだけに分岐点になりそうな気がする。


もうひとつは、ピンでのネタが弱いこと。漫才はかなり良い出来なのだけど、ピンネタに入ると、印象がガラリと変わる。普通、どちらかはなんとかなることが多いのだけど、このコンビについてはどちらも苦手っぽい。ここを乗り越えられるかどうかが、売れるためのポイントだと思う。
(ちなみに、黒瀬(つっこみ)は、この間のR1で1回戦落ちした。そのときのネタを別のライブで見たのだけど、その結果は十分に納得できるものだった・・・(^_^;)


いろいろ書きましたが、きっと売れることは間違いないと思います。舞台で笑いをとれるコンビなので、使い古されて終わってしまうことは無いと思いますが、どうせ人気がでるのならしっかりと定着して面白いネタを見せ続けてほしいところ。




で、次にふとっちょ☆カウボーイ
この人は、TBSの「あらびき団」というテレビ番組ではじめてみた。あまりの衝撃に、当時は一気にはまった。この番組でも数分の短いネタをやっていたのだけど、その短いネタにもかかわらず、連日に渡り、何度も繰り返してみては笑うという時期があった。それくらい、はまった。
ちなみに、当時は「ジュニー・ザ・ピンボール」という芸名。別のblogにも書き残したことがあったりする。


しかし、そんなふとっちょ☆カウボーイ、今回のレッドカーペットでは大失敗だった。
理由は簡単。ネタが悪かったから。正直、なんであのネタをやったのか、さっぱり理由がわからない。あらびき団で大絶賛されてきた、いつものネタをやればいいんじゃないかと思ったのだけど。
と書いたけど、レッドカーペットだとちょっと難しいというのも、わからないでもない。


普段のネタについて
・カメラワークを駆使しているため、たくさんの観客を相手にした生の舞台に向いていない
・時間帯、番組の色・雰囲気に合っていない(もっと時間帯が深く、粗いフォーマットの番組の方がいい)
・R1で予選落ちした実績がある(R1の観客と、レッドカーペットの観客は、なんとなく色が近い気がする)
といった感覚でいるのかもしれない。


他にも「売れていくためには別なネタから入りたかった」といったことも影響しているかもしれない。最初にいつものネタをやると「一発屋」的な売れ方になってしまう危険性がぐっと高まりそうな感じがする。まずは他のネタでつかんでおいて、人気がでたところで「いつものネタ」を出すことによって、一気に加速する、という線も描けないでもない。
そんな心配をしていたのかどうかはわからないけど、違うネタを選ぶ要因はいろいろとあるのだろう。



ただ、それにしても、やはり今回の選択はよくなかった。いつものネタをやらなかったにしても、やったネタが面白くない。「紙芝居」ネタって、直近でバカリズムとか夙川アトムが傑作を出している領域なんだから、付け焼刃で入るのはあまりにも危険すぎる。実際、怪我もしてしまった。もったいない。


※本音のところで、あのネタで勝負できると思っていたとは考えにくい。とすると、スタッフ側から求められたのか?(あらびき団とは違うネタをやってくれ、と。かつ、紙芝居形式は拡充していきたい(需要が多そうなので)ので、そういうものをやってくれ、と。場合によっては、事前にネタが用意されていて、渡されたとか。それは考えすぎか・・・?


いずれにしても、こんなことで終わることだけは避けてほしい。
個人的には、レッドカーペットには、当面出なくても構わない(本人的にはどう思っているかは別として)。ただ、あらびき団での活躍のように、ふとっちょ☆カウボーイの良さを目一杯引き出せる舞台のある番組に出て、どんどんと面白いネタを見せてほしい。そして爆笑させてほしい。
あんだけ面白いことができるのだから。