R−1ぐらんぷり

なだぎ武が2連覇。
今回は外出していて、生放送で見ていなかった。帰り道に携帯で先に結果を知ってしまうという痛恨のミス。
この結果をみて、「ん〜・・・、どうなんだ・・・?」という疑問が浮かんだ。M1で観られるような宣伝性がまぎれてきなのでは?という懸念を感じたのだ。


しかし、実際に内容をみてみたら、そんな懸念はふっとんだ。見事な優勝だった。昨年はディランというキャラで勢いに乗じた感もあったが、今回は実力で勝った。特に認知のあるキャラを使わず、おもしろいネタとベテランならではのチカラを示していたと思う。2連覇の実績にふさわしいものだった。


全体を振り返ってみる。


・COWCOW 山田
 悪くなかった。でも、爆発しなかった。「ベタなキャラでベタなネタをうまいこと笑いに持っていく」というスタイルにとって、この場(特に一番手という順番)は不向きだったかもしれない。
 あと、このネタはけっこう長いことやっているので、新鮮さに欠けた感もあったかも。


世界のナベアツ
 正直、「優勝するのでは」と期待していた。個人的にファンであることと、勢いがあるタイミングという有利な条件も揃っていた。
 でも、ネタの選択がよろしくなかった。なんで3の倍数にしたんだろう? ナベアツのネタで最もテレビ向きなのは確かなのだけど、あまりにも広まりすぎた。もうちょっと、ネタの露出を抑えていれば、いけたかもしれないなぁ。それくらい、このネタはすばらしいと思う(夏のライブで、はじめて見たとき、本当に爆笑したのが懐かしい・・・)。


中山功太
 ネタは良かったと思う。面白かったし。もうちょっと順位が上でも良かったと思う。でも、こうして思い返してみると、ちょっとインパクトが薄い気がしてきた。なんでだろう・・・? ジャブがものすごい巧いタイプなのかも。代わりにフィニッシュブローがないのかなぁ・・・?


なだぎ武
 これはもう、すばらしかった。シチュエーションは学校だったけど、レッドカーペットではサラリーマン風のおっさんで同じようなネタをやっていたことがあった。でも、そのときよりも、かなり磨きがかかっていた。
 小ネタのひとつひとつに笑いの要素を含ませていて、どれも外さなかったのがすごい。その上、間のとり方もさすがだった。間違いなく、昨年よりも面白かった。


鳥居みゆき
 紹介VTRで「のいるこいるに憧れて」と言っていた時点で笑ってしまった。
 この人はどういう受け止められ方になるのかいちばん興味があったところ。思っていたよりは、浸透していた感じがする。
 キャラクターの危なさが売りにみえるが、実はネタもうまいと思う。このキャラクターでこそ生きるネタになっている。今回でいえば、特に、人形劇のあたりはかなりすばらしいと思った。


あべこうじ
 常連であるがゆえに苦しくなってしまったと思う。ネタというか、スタイルを変えないことで、今回は顕著に結果に表れていた気がする。個人的には、実際の結果よりも、もう少し順位が低い印象を持った。
 この人は、コーナー司会にものすごく適性を持っていると思う。声がいいのに加え、反応が早い。あの早口でネタを繰り広げられるだけに、言葉の選択としゃべりのつなぎがかなり巧いのだ。
 今後もR−1にでるなら、まったく違う路線を見せてこないと難しそうな気がする。


芋洗坂係長
 この人のネタ、今回が初見。
 「そこいらのおっさんサラリーマンの宴会芸」ととられかねない、けっこうギリギリのネタなんだけど、うまいこと渡っている。
 最初の「BOA」のダンスなんて、一瞬あっけにとられかけたけど、3回転くらいのターンを見事に決めたあたりで吹いてしまった。その後も、展開は悪くなかった。ただ、最後のネタ(ジプシーキングのボラーレ)で、踏み外した感があってもったいなかった。2位の評価は、ちょっと高すぎると思う。


土肥ポン太
 この人も順番に泣いたクチ。普通のスタイルだから、これだけの世界観が繰り広げられた後は辛い。
 ただ、最初にやっていたとしても、やっぱり辛いと思う。モノボケの積み重ねをオチまでのストーリーに載せるというスタイルでは、限界がある気がする。ネタの中に、どれかひとつ爆発するものがあれば違うかもしれないけど。でも、モノボケのスタイルでは、それも難しそうな気が・・・。



まあ、今回もいろいろと書いてみましたが。いずれの人々も、面白かったと思います。これを皮切りに活躍される方もいるかと思いますが、「一部分だけをひたすら消耗させて使い捨て」となるようなことはないようにしてもらいたいところです。


いや、それにしても「なだぎ武」には、ちょっと感動したなぁ(^_^