フローズン・タイム

前評判どおり、映像の美しいものでした。特に、女性を(特に裸を)美しく映そうという意志がひしひしと伝わってきた。まあ、R-15だなぁ〜、と思うようなシーンも入りつつでしたが、全般的に上品なものでした(激しいからみのシーンはほとんどない)。時が止まっているなかで女性の服を脱がせていく、特にその脱がされた途中の女性の姿、あらわになった肌を美しく魅せていると感じた。エロさもあるのだけど、美を求めていたのはわかる。

失恋がきっかけで不眠症になった主人公が「時を止められる」という設定は新しくはないのだけど、その表現が新しかったのだと思う。時をとめた世界での主人公の振る舞いが、幻想なのか現実なのかがあいまいな描き方なのだけど、「前半は幻想性が高く、後半は現実性が高く」という風になっていたところが面白さにつながっていたと思う。

意外と良かったのは、各サブキャラ。スーパーの男店員二人は底抜けのあほさ加減が伝わってきた(常にバカをやってあほ笑いをしている、とか)。ストリッパーのナタリーはちょっとしかでてきてないのに、妙に印象に残ったり。

また、バラエティ的な要素をふんだんにもりこんであった。ただし、個人的にはいまいち。日本のバラエティで行われている「激しい突っ込み」なんかを取り入れているような感じもして、嫌いではなかったのですが、笑いの要素として新しいわけでもなかった。


ラストシーンの雪は、ちょっとずるい。突っ込みどころを気にしていたところに、あとになって「わかってましたよ〜」みたいに返されるのは。ちょっとくやしかった。
でも、まあ面白かったからいいか。