リーダーのイメージ

NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」。
何度も日記に書いてきたけど、今回も響いた。
今回は「高橋直夫」さん。プラント建設(中東の石油工場)の現場所長をされている。1兆円の予算で、7000人が参加するような規模。高橋さんは、現場所長として、顧客から名指しされたらしい。
僕にとっては、妙にインパクトというか、印象深い「リーダー」のイメージだった。


■親近感のあるリーダーシップ
語られた言葉は、すごくオーソドックス。
 ・絶対に諦めない。できると信じる
 ・笑って仕事しろ
 ・決めないリスクより、決めるリスク

いずれも、リーダーシップに関して調べるとよく見かける言葉かもしれない。でも、すごく伝わってきた。しかも、一般的なイメージとはちょっと違う印象だった。
なんとなく「近しい」ものに感じられたのだ。
たぶん「(言葉の通り笑顔の多い)人間味のあるキャラクター」と「本当に現場を渡り歩き、仕事も人も細やかに目と気を配る姿」が、そう感じさせたのだと思う。あと、問題が放置されたときに見せた「厳しさ」がありつつ、「失敗で評価することは無い」という考え方も。映像から伝わる言動と合致していたと感じたのだった。
どの言葉も「これまでにも大事なものとして知っていた(実感もある)」ものなのだけど、でもやっぱりなかなか難しいもの。特に、最近はこれとあてはまらない行動をとっていたことが思い浮かんだ。
でも、高橋さんの様子を見ていて、少し気持ちが変わった気がする。とりあえず、明日は、なんとかなると信じて、笑顔で過ごしてみよう。決めていなかった課題を、片付けてこよう。


■失敗への向き合い方
高橋さんは、専卒で技術者として入社し、44歳のときはじめて所長になったらしい。しかし、このとき、大失敗したらしい。2年間のプロジェクトで7ヶ月の遅延、数十億の損失を招き、この次の仕事では所長としての役職は得られなかったそうだ。

このとき、高橋さんは、いろいろな思いを持ちつつも「失敗の原因を考え抜いた(あわせて対策も)」らしい。このときに考えて蓄積したものが、その後に与えられたチャンスで一気に開花したらしい。
印象深かったのは「通常はやらない」という工夫をしていたこと(今回の放送の中では「出稼ぎ型の従業員に対する研修」とか。プロジェクトに限った雇用契約となるので、通常はやらないらしい)。でも「相手に得をさせる」ことで「自分も得をする」との考えから、やることにしたらしい。実際、効果もでているとか。

「失敗したことをしっかりと振り返る」というのは、当たり前な話なのだけど、本当に真剣にやれているかというと、これまた意外と難しい。間逆なことをやってしまうこともある。
僕がいま携わっている仕事では、学びになったこと(失敗含む)がいろいろと思い浮かぶ。今回は、今まで以上に「次に活かせる」ように。
そして、それを活かすためには「相手に得を考える」姿勢を忘れないように。


■失敗を受け止め、次につなげるのに大切なこと
高橋さんが最初に担当した「失敗プロジェクト」で、とても貴重な思い出があるとのこと。それは、仕事が完了したとき、客先のPMからかけられた言葉。
「遅れたけど、要求は100%満たすものを作った。遅れたことなんて忘れ去られる。でも、作ったものは毎日動く」
この言葉をもらったことについて、「すごくうれしかった」と力強くコメントしていた。

この気持ち、わかる。僕も、顧客に迷惑をかけてしまったとき、似たような経験をした(失敗の内容は異なるけど)。顧客でもいろいろと対応が大変な状況になったのだけど、「がんばってくれた」といった言葉をかけてもらえたのだった。
こちらは申し訳ないのと情けないのとでいっぱいだったのだけど、「ふっ」と気持ちが少し軽くなった。
今の仕事でも、いろいろと問題が起きる中、上司から信頼とか意気を感じる言葉をもらったことがあった。このときも、同じような感覚になった。



いま携わっているプロジェクトは、もう半年くらい続く(山場はあと2〜3ヶ月くらい)。これまでもいろいろとあったし、続いているし、まだまだ新しい問題がでてくるだろう。
ちょっとげんなりすることもあるだろうけど、今日感じたことを思い出し、しっかりと取り組んでいこう。

 そして、今回得たものは「今までにないくらい」きちんと振り返ろう、自分の血と肉にできるまで。