余命1ヶ月の花嫁

いまさっき読んだ本。

このまえ、本屋の前にいたときに、たまたま目に付いて手にとってみたものだった。タイトルがちょっと重かったのと、TBSという文字があったので、テレビ連携の企画かな、と思っていた。ただ、第4刷発行になっていて、しかも第1刷からは2週間くらいしか経過していない。これは何かあるのかな、と。
ということで、ひとまず購入してみたのだった。


で、読んでみた。
購入前に想像していた自分のイメージとはまったく違った。そのときに思っていたことを取り消したいような、自分に対する恥ずかしさを感じた。


この本は、ドキュメンタリー番組がもとになっている。出演者は24歳の女性。
この方が、23歳のときに乳がんを患い、以降、再発等々を経て、余命を全うしていく姿が記されている。

この本に描かれているのは、闘病の様子ではない。それも触れられているのだけど、それは状況説明に過ぎない。
この本にあるのは、一人の若い女性が、自らに過酷な運命が突きつけられたのにも関わらず、それに打ちのめされること無く、まわりにたくさんのあふれる配慮をしながら、自らも前向きに生きようとする、そういう姿が描かれている。

また、彼女と関わる人々も同様。同じ病気で妻(女性の母親)を失った父親、がん宣告を受けていることを知りながら(かつ、余命宣告を受けてもなお)そばに居続けた恋人、早くに亡くなった母親代わりをつとめ続けた叔母、苦しい彼女を支えた学生・職場の友人たち。みな、彼女を中心に、思いやりのこもった行動を続けていた。うちに、悲しみと苦しみを抱えながらも。


生きていけることへの感謝、それはどこに向けて表せばよいのか、どのように示せばよいのか。僕よりもはるかに短い期間で人生を終えた人から、(ほんの一部のことしか理解できていないかもしれないけど)学ぶことができたような気がする。