グミ・チョコレート・パイン

大槻ケンジ原作の青春もの。
気合の入った不良生徒ではなく、もっと下世話なんだけどはすに構えた青少年の物語。
少なからず自分と重なるシーンを目にし、甘酸っぱいような感覚が伝わってくる作品。


率直な感想は、「まあまあ」という感じ。
あほなんだけど共感できる青少年たちは、好感が持てた。ストーリーや登場人物たちも、個性が強すぎる感があったものの、面白い。
主人公の大橋を中心に、バンドのメンバーや両親(大森南朋の母親が高橋ひとみという強引さもちょっと面白かった)といった個性の濃い登場人物。ジャイガーとか、多くのキャラが立っているのも感じられた。人によって好き嫌いはありそうだが、僕は嫌いではなかった。
あと、自慰行為とか、あほな小ネタを盛り込まれているのも悪くなかった(すべったものもあったが、はまったのもあった)。
中越典子とか、俳優人もなかなか。


ただ、個人的には、演出が好みではなかった。どうも、前衛的な演劇色が強いというか。監督がケラリーノ・サンドロヴィッチだから、らしさがでているといえばそうなんだけど。世界観とか雰囲気づくりが優先されすぎて、ストーリーが後手に回ったような感じがした。