M1感想

先ほど終わりました。M1−2007。

先日予想した優勝候補者は、外れてしまいました。まだまだ勉強不足だ。
とはいえ、「初の」敗者復活戦からの優勝者、という線は当たったのと、トータルテンボスの次点という結果からして、大はずれでもなかった、ということにしておきたい(^_^;


さて、今回の優勝は「サンドウィッチマン」。
面白かったです。僕はネタを見たことが無い(少なくとも記憶がない)のですが、今日みた限りでは「なんでいままで知らなかったんだろう」という感じでした。
※ネットを見ていてちょいちょい名前が挙がっていた記憶もあるので、単に僕の不勉強によるものなのでしょう。


今回の出場者の中では、いちばん笑いました。
オーソドックスといえばオーソドックスな「裏切り」を重ねていくスタイルでしたが、M1ではあまり見ない漫才だったのも効いたと思う。風貌としゃべり口とネタとに、微妙なギャップと親和性とがあって、不思議な魅力と面白さがあった。あと、本当に急遽押しだされてきて、自分自身も困った、という感じでやっているのも、面白さにつながっていたと思う。


トータルテンボスは、惜しかった。個人的には、決勝の最終3組では、いちばん良かったように思った(サンドウィッチマンは面白かったけど、ネタが短かった気がした。短いのは問題ないけど、総じて笑いの量は減ったと思う)。
ネタについては、今月のライブで見たものとかぶっていたので、僕にとっては新鮮さは少し不足していた。でも、面白かったと思う。ライブで見たときと比べると、ネタについて、構成・テンポ・テンションをM1用にアレンジしていた感じがわかった。本当に優勝を獲りにいっていたんだな、と。
最後の得票数も、惜しかった。これで最後となるので、もう優勝をとることはできなくなったけれども、ここまできたのだから、来年はずいぶんと売れるでしょう。
それでも、来年以降も全国ツアーは続けてもらいたいところです。


キングコングは、本人たちがいちばん楽しめていたコンビだと感じた。
僕はネタの内容を重視するので、正直なところ今回の順位は印象とは違う。
けれども、オール巨人が言っていたように「練習量がわかる」というのは感じた。漫才の一言目をはじめた瞬間からオチに至るまでの全工程を、すべてゆらぐことなくやりきったと思う。もちろん、途中途中に、アドリブ(っぽくなってしまったものも含めて)が入ってきたとは思うけど、それをいなして進めていく姿からも、彼らがここに至るまでの努力が垣間見えた気がする。


笑い飯は、昨年までとは少し違う姿がみえて「おっ」と思うところはあった。でも、それは変化と呼ぶには至らず、2003年を超えるものではなかった。代名詞になってしまったWボケを捨てるのかどうか、あるいはさらなる発展につなげられるか。今後に期待したい。

ポイズンは、M1用のネタを考えるか、M1優勝以外を狙うか、どちらかを期待したい。彼らのスタイルは、M1で勝つための要素とは違う魅力の部分が大きすぎる(このあたりのM1の状況については、別エントリーにて書こうと思っている)。

ザブングルは、顔芸だけではないことを示す機会にはなったと思う。でも、審査員の言葉どおり、突っ込みで構成されている状況。これをどこまで伸ばせるか。顔が気にならないくらいのネタと技術をつかんで欲しい。

千鳥は、正直、残念だった。最初に「好青年をアピールする」ために大声張り上げて大げさに手を振る、ところまではいい感じだった。けど、そこから尻すぼみ。心配していたほうにいってしまった。僕は、彼らのネタで爆笑したことが何度もある。なので、どうも、ネタの選択があってないんじゃないか、という印象が強くなる。
とすれば、M1用のネタを考えることの重要性につながる。「オレ流」はいいと思うし、悩んだというスタイルの変更もしなくてもよいと思う(少なくとも来年の挑戦については)。今のスタイルでできるM1優勝用の最高のネタをだしてNGだったら、変える、というくらいの気持ちで、来年もネタをつくり見せて欲しい。


ハリセンボンは、よく頑張った、という感じ。
経験年数の割りに、テレビの露出量が増えてしまったので「漫才のネタと経験の蓄積」が難しかったであろうことは想像がつく(キングコングも同じ悩みを持っていたはず)。なので、どうしてもバラエティでも披露するネタと重複する部分がでてしまい、新鮮さとインパクトが弱まっていたと思う(これがないと、爆笑は難しい)。ここも、見た目をまったくいじらない、客にも気づかせないようなネタにたどりついて欲しい。


ダイアン、名前は残せたと思う。来年も進出してくる可能性は感じた。
今回の経験は自信になっただろうから、来年は大化けする可能性があると思う。突っ込みとボケにテンションの温度差が大きい気がするので、ここを変える(ボケがテンションをあげるのと、両方とも高低をつける)と活躍してくるかもしれない。



と、予想と同じく、結果についても好き勝手書かせてもらった(^_^;

毎年を楽しみにしている視聴者として、出場者の方々には、あらためて感謝したい。おもしろい時間をありがとう。



ただ。今回の大会で、M1についていくつか見えてきた不安(前々から懸念していたこと)がだいぶ表面化してきた感じもした。これについては、別エントリーにて考えてみたい。