2日で人生が変わる「箱」の法則 すべての人間関係がうまくいく「平和な心」のつくり方

(1)内容
 人間関係をうまくいかない状態を「箱の中に入る」と呼び、改善させるには抜け出すことが必要、という考え方を示したもの。
 相手に対して自分がどのような心持でいられるか、ということを関係性の根源をなすものとしている。その心のありようによって視点が変わり、始点は行動につながり、相手の視点と行動とあいまって、関係性を構築していくというもの。
 重要なのは、心のありようが「相手への尊重」からきている場合、グッドサイクルに。逆の場合はバッドサイクルに、それぞれスパイラルに展開していくということ。
 一般的にありそうなエピソードから、宗教色や国際色の強い大きなテーマまで具体的な話を持ち込み、内容の理解を促す構成となっている。


(2)書評
 

(3)キーワード
「心の平和」「人と見るか、ものと見るか」「心のあり方」「対立のパターン→共謀」「見方が不愉快な相手と思わざるを得ない状態にさせる」「堂々巡りする不満」「仲間を集めて、自分の見方を正当化する」「自分自身に染む行為」「正当化は『優越』『当然』『体裁』『劣等』」
「箱からの脱出 ?箱の兆候を探す ?箱の外の場所を見つける ?状況を改めて考える ?自分が見つけたことに基づいて行動する」「和平ピラミッド」「箱を出て平和な心を獲得する→影響力を持つ他者との関係を築く→関係を築く→聴き、知る→教え、伝える→正す」




【心のあり方は平和?】

・相手への感想を思い浮かべると、不平・不満が先にでてくるか?

・相手のことを思い考え続けたあとにも、その不平や不満は残っているか?



【共謀関係を築いている?】
・相手は、いつも自分の思ったとおり(以上)の仕打ちをするか?

・それに対して、自分は否定的な感情で受け止めるか?

・その上で、批判的な行動をとっているか?
 (自愛の行動をとらずにいるか?)

・同じような事態を何度も繰り返しているか?

・相手が間違っているという思いがあるか?

【自分に背いていない?】
・この状況での行動に、自分が責任回避しているとみられる可能性はあるか?

・行動の一部に、正しくないと感じうるものがあるか?

・まわりに求めていることを、自分はやれているか? 担えているか?

・自分が何かできていない場合、言い訳が思い浮かぶか?

・その言い訳は、自分にとって都合よくまわりに受け止められそうなものか?

★相手を支援する行動について、やった方がいいと思ってもできなかったことについて、今もやりたいと思っているか?


【自分を正当化している?】
・相手に対して、能力・重要性・知性・有徳といった観点から、劣った存在とみていないか?

・自分はひどい扱いを受けたり、苦しいほどの努力をしていて、報いを受ける権利があると思っている?
 あるいは、権利があるのに報われていないと感じている?

・自分が傷つかないために、行動を控え、その結果「自分は寛大」という評価を得ようとしていないか?
 (おイタをしたメンバーに対し、特に何もとがめずに放置しておく、とか)

・自分の弱みをネタに、周囲とうまくやれないことを言い訳していないか?

★自己正当化は、いついかなるときも、いつまでもついてまわる。



【心の平和を保てている?】
・相手と同じ立場で、同じ規範で、行動している?



【箱から脱出できるか?】
・相手に対する考え方や感じ方は、他の人(一般的な人と、特別な人)と違っているか?

・自分にはその資格がないと思うような状況で、誰かから優しくされたことはあるか?

 強く影響を受けた本(の一節)はあるか? 
 何もかも順調だった頃のことを思い出せる場所や状況は?

・相手の不安・苦しみは何か? 自分はそれを増長させていないか?
 自分の『優越』『当然』『体裁』『劣等』によって、真実を正しく認識できていなくはないか?

・自分は相手のために、何をすることができるか?


★他人の苦しみを見えるようになっていれば、自分を正当化する必要が無くなる

★何をすべきかという気持ちではなく、「それをしたい」という願望が大事

★他人に対してこのような感受性を取り戻したら、それに基づいて行動する


【平和な心にあるために】
「箱を出て平和な心を獲得する→影響力を持つ他者との関係を築く→関係を築く→聴き、知る→教え、伝える→正す」

★他人に変化を望むのは問題と言い切れるほど単純なことではない。問題なのは、他人が変わる必要があるといいながら、自分自身も変わる必要があるとは考えないこと

【教訓】
1:ピラミッドの下段に時間と努力をそそぐこと
2:ピラミッドのある段の問題の解決策は、その段より下にある
3:ピラミッドの各段階で効果をあげられるか否かは、ぴらみどの最下段「あり方」にかかっている

★正すと言う行為は、相手の反発を招くもの。より下段の段階でいっそうの努力が必要。


★ただそうとしても効き目が無い場合、普通はますます厳しく押さえつけ、さらにただそうとする。そして、教え諭してもうまくいかないときは、何とか効果を上げようと、さらに言い聞かせ一団と強く主張してしまう

★他者に働きかける場合、常にその相手に対し「自分の靴を脱ぐ」努力が必要。彼らが受ける制約を自分も経験し、彼らが化せられることを自分にも課すること

★どんな行為も、箱の内側か外側かでする。箱の中から行動を起こすと、反発を招く

★ピラミッドは、たえず、問題は自分にあるかもしれないことを思いださせ、どうやって解決に手を貸せばいいのかのヒントを与えてくれる


★★誰もがしくじる。失敗するかもしれないといって身動きできなくなったら、どの箱が自分に完璧を求めているのか考える

★★外面的な闘争は避けられないとしても、心は平和な状態で戦うことができる