「WIN-WIN⇒WIN-LOSE」の変化

交渉ごとをするとき、WIN-WINを目指すのがセオリー。
よくきくし、実際にとてもよくわかる。

でも、そうはいっても難しい。気がつくと、WIN-LOSEに話がすりかわっていたりする。
なんでそんなことになるのか。


いちばんの理由は「感情的になってしまうこと」にあると思う。
特に、本気でなんとかしたい、という思いが強いほど、そのわなにはまりやすい気がする。これがやっかい。
しかも、相手がディフェンスの姿勢で接してくる場合はなおさら。拍車がかかる。


たとえば、先日の打ち合わせでのこと。
先方から申し出てきたわりに、完全にディフェンスの姿勢(「もう、これしかできません」の一点張り)。
こちら(発注側)としては、「話がちがうでしょ」のひとことで終えたいくらいなところなのだが、この状況をクリアしないとものごとが進まない。
そこで、「WIN-WIN」の姿勢を意識して話を始めたのだった。こちらがいろいろと案をもちかけてみる。「この1ヶ月に丸められている工程は、もう少し内訳に分解して眺めてみませんか?」とか「この作業は、前工程に組み込むことで9割方の工数を削減できませんか?」といった感じで。
しかし、それでも「いや、そうすると、この工程をずらしたことによるオーバーヘッドが・・・」とか、言い訳が並んでくる。最初は軽く流そうとしたのだが、繰り返されるうちに嫌になっていくもの。


こんな対応をされると、感情が紛れ込んでくる。「そちらの課題を解決するために、こちらが頭を悩ませているのだけどな・・・」と。これが積み重なると、「WIN-WIN⇒WIN-LOSE」の変化に・・・。


こうなってしまうと、どういう結果になっても、たいていは自己嫌悪が残る。
自分としても気持ちよくない。これだけでは、経験の蓄積としても薄いままだ。

で、今後の「かて」とするために、対策を考えてみると。
 ・目的を外さない。  なんのためにこの話をしているのか。これを頭から離れないように、あるいは
  すぐに引き戻されるようにしておく。目の前に大きく書いておくとか。
 ・自分は正しいことをする。  感情的になってWIN⇒LOSEになっても、正しいことをした結果ならしょうがない。
  それくらいの割り切りは許される(と思う)。
といったことを意識してみるといいのかな、と考えてみました。


感情的になるスイッチは人によって差があるところでしょうが、この対応である程度は
良い方向に軌道修正できそうな気がします。