ジャンパー

予告編から想像していたのと内容がずれてた。
ただ、ジャンプ(テレポーテーション)の感覚はいい感じ。これだけでこの映画はありだと思う。


ジャンプをする瞬間の「タメ」と「放出」が爽快感につながっていたと思う。特に、ジャンプの連続は観ていてスカッとする。リズミカルに「シュバッ!」と姿が消えては別な場所に現れる、この繰り返しはかなり気持ちいい。
個人的にいちばん気に入ったのは、ジャンプを繰り返しながら突進してくるところ(相手を殴り飛ばすために)。予告編でも入っていたシーンで目に留まっていたのだけど、本編で観てもよかった(その割りに、シーン自体はすごく短いのだけど・・・(^_^;)。


一方で、この演出以外のところは、消化不足(これが、予告編とのズレでもある)。


 ・なんでジャンプできるのか?
  ジャンプできるきっかけのあたりはすごく丁寧に描いているのだけど、ジャンプできる能力そのものの説明があまりない。
  これは、物語にけっこう影響していて、ここがあいまいな割りに、この能力を流用したいろいろな展開がある(一緒に移動できるものとその限界、移動できる範囲、移動するときにできる空間のゆがみ、それを制御する装置、ジャンパーを捕まえる道具、等々)。特に道具については、ジャンプできない人々がジャンプできる人々を捕まえられるように開発したもの。なんでそれは開発できたのにジャンプする道具はできないのだろう?みたいな疑問がちょいちょいわいてしまった。


 ・ジャンプを追う組織の目的が不明確
  物語中で触れられているのだけど、納得するにはちょっと・・・。
  歴史的な背景がもとになっている、みたいな説明があるのだけど、それでもいまいちわからない。たぶん、利害関係が見えてこないからだと思う。
 どうせだったら、「銀行強盗にあっただけの金額を返させるために追った(つかまえて、別な犯罪で穴埋めさせる、とか)」あるいは「軍事目的で利用するために捕まえようとしている」とか、ベタでもいいからわかりやすい意図を示して欲しかった。



この作品、最初から続編を意識していたのではないかなぁ、とも思ってみていた。この日記で触れたような謎が残ったままであるし、ジャンパーの能力を使って何かを成し遂げる(今回は、「自らを知る」とか身の回りに近いことに重きがおかれていた)という展開も可能性を感じるし。
率直な感想は、すごくマトリクス的なのだった。最初は、特殊な能力と世界観の設定を楽しむためのもの。次回作からは、それを利用したもっと壮大なものごとに取り組む、と。



いろいろと思うところはありますが、楽しめる映画だと思います。繰り返してしまいますが、「ジャンプ」の感覚(特に連続もの)。これは、ゲームにしても面白いと思う(操作感をだすのがものすごく難しそうだけど、うまいことできたらすごい爽快感のあるゲームになりそうな気がする)。